発達栄養72 ネタばらし3:変化に対応するための継続教育

発達栄養学は教育によって広めることを目指しています。非常に対応が細かく、それぞれの子どもの特性、保護者の状態、生活環境などを充分に知って、千差万別の対応をしなければならないので、最もよい方法は個別面談、個別対応となるはずです。そのことは充分に承知していながら、あえて教育講習の方式を採用しています。

個別の状況に応じて、困っていることとして相談を受けたことだけに答えるのは、発達障害児の栄養指導は大変だといっても、不可能ということではありません。栄養学に詳しいだけ、発達障害に詳しいだけということでは対応ができないこともあるでしょうが、その両方を熟知していれば、的確な指導をすることはできます。

しかし、その指導が、いつまで通じるかは、子どもによってわからないことがあります。その例として“ストライクゾーン”という話をしています。通常の野球のストライクゾーンは左右がホームベースの長さとなっています。ルール上は、ボールがホームベースの端に少しでもかかっていればOKです。ストライクゾーンの上は肩とスボンの中間、下は膝頭の下となっています。こちらもボールが少しでもかかっていればよいわけです。

野球のストライクゾーンは上・中・下、左・中・右で9分割されます。その範囲で投げればストライクと判定されます。ところが、発達障害児ではストライクゾーンが狭くて、場合によっては9分の1の範囲でないとストライクとならない、つまりちゃんと反応してくれないことになります。その狭いストライクゾーンも変化をすることがあります。

これは発達障害児に共通することですが、食事の面においても変化が起こって、そのたびに対応を変えなければならないことがあります。その変化に保護者が対応できるようにするためには、しっかりと教育をしておく必要があります。その教育も資格認定式の講習を選択しているのは、ずっと情報を出し続けて、そのたびごとの変化に対して継続支援をすることを考えているからです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)