発達栄養9 糖質の基礎知識

糖質は炭水化物から食物繊維を除いたものを指しています。食物繊維は胃で消化されず、小腸、大腸で吸収もされない性質があります。そのために、食物繊維を含んだ炭水化物は消化に時間がかかり、吸収されるまで5〜6時間かかります。糖質は小腸から吸収されて血液中に入り、エネルギー源として全身の細胞まで運ばれます。糖質の吸収時間は一般に3〜4時間とされていて、糖質のエネルギー量は1gあたり約4kcalとなっています。
糖質の種類としては、でんぷん、グリコーゲン、糖アルコール、オリゴ糖などがありますが、ご飯やイモなどにふくまれるでんぷんは主にエネルギー源となります。オリゴ糖は消化されずに小腸を通過して、大腸で分解されたのちに腸内細菌のビフィズス菌の栄養源となります。
糖類は糖質の一部で、単糖類、二糖類、少糖類、多糖類に分けられます。単糖類はブドウ糖、果糖などの1分子の糖で、ブドウ糖は血液中では血糖となります。血糖値は血液中のブドウ糖を指しています。果糖は果物やはちみつなどに多く含まれています。
二糖類は砂糖(ブドウ糖1分子と果糖1分子が結合したものでショ糖とも呼ばれる)、乳糖(ブドウ糖1分子とガラクトース1分子が結合したものでラクトースとも呼ばれる)、麦芽糖(ブドウ糖が2個結合したものでマルトースとも呼ばれる)があります。少糖類は3〜10個の糖が結合したもので、これに当たるのがオリゴ糖です。これよりも多くの糖が結びついたものが多糖類で、デキストリン、でんぷん、グリコーゲンなどの種類があります。グリコーゲンは体内では筋肉や肝臓に蓄積される貯蔵型多糖類です。
食品として摂ったでんぷんは、膵臓から分泌される消化酵素のアミラーゼによって麦芽糖に分解され、続いて単糖のブドウ糖にまで分解されます。ブドウ糖は小腸から吸収されて、血液中に入り、肝臓や筋肉などの組織にグリコーゲンとして蓄えられます。それ以外のブドウ糖は全身の細胞に取り込まれてエネルギー源として使われます。