発達特性1 「発達」のイメージ

発達という用語は、「成長して、より完全な形態や機能を保つようになること」を指しています。用語的には前向きな意味で捉えられるところですが、「発達」と呼ばれただけで傷つけられるような用語として使われることも往々にしてあります。

発達障害がある子どもに対して、子どもを預かったり、学ぶ機会を与える職種の人たちが使っている「発達ちゃん」は、プラスの意味合いで使っているというよりは仕方がない存在として口にしていることが雰囲気からもわかります。

これは発達障害という用語が受け入れにくいという気持ちがあって、直接的には口にしにくいことから、まるで隠語(特定の仲間の間だけで通じるように仕立てられた用語)のように扱われています。

中には“障害”という用語がマイナスの印象を与えることから、害がないということを示すために、害が含まれた文字を使わないようにということで、障害を取り外しているという人もいます。

確かに障害は正常な行動や進行の妨げになるものといった意味で使われることから、そのような考えが出るのはわからないでもありません。通常であれば文字の半分を削ったら、意味が通じなくなることが多いのですが、“発達”と言っただけで発達障害のことであるとわかるほど発達障害が増えていて、発達障害が気になる存在となってきています。

発達障害という用語に抵抗感がある方々は別の呼び名を見つけようとする気持ちが強く、医学の世界でも正式用語の「発達障害」を「神経発達症」と呼び変える動きが進んでいます。しかし、これは単に呼び名を変えただけで、しかも症は病気の性質を意味する用語であって、これを使用することに抵抗感を抱く方々も少なくありません。

こういった社会的な抵抗感を軽減させると同時に、発達障害の本質の理解を進めるために、私たちは「発達特性」という用語を用いて活動に取り組んでいます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕