発達特性15 球技の困難さ

発達障害がある子どもは、集団で行う競技が苦手で、中でも球技などが特に苦労をする例が多くなっています。

三大発達障害の一つの自閉症スペクトラム障害は周囲の状況が見えにくく、集中しすぎるところがあります。

運動には集中することはよいことのように思われがちですが、一定のところしか見えない、一つのことに集中すると他のところが見えなくなるというのは、個人種目はこなせたとしても、集団で実施する球技では周囲に合わせることができないことにもなります。

野球でランナーが1塁から2塁に走っているときに、外野からの返球が2塁で待ち構えている二塁手もしくはショートストップに向かって投げずに、いつものように一塁手に投げる、目標を定めずにピッチャーやキャッチャーの方向に投げるということがあるのも、全体が見えていないために起こりやすくなっています。

この他にも試合を乱すような行動は、いくつもあります。

また、三大発達障害の注意欠陥・多動性障害では、落ち着きがなく動き回ったり、周囲のことが気になって集中できないことがあります。そのために、周りの状態を感じ取って、自分のすべきこと(役割)ができにくくなります。球技では他のポジションと連携ができず、単調な動きになったり、やはり試合を乱すことにもなりがちです。

三大発達障害の一つの学習障害というと、机に座っての学習だけに影響が出ているわけではない場合でも、体育にも大きな影響が出ることがあります。

特に影響が大きいのは感覚過敏の視覚過敏によって見えにくさを抱えている場合で、見え方が他の子どもと異なっているために野球であれば投げる、受ける、打つ、走るといったことに困難さがあります。

感覚過敏は五感に現れるもので、視覚過敏でも眼球から入ってきたすべての情報を脳が取り入れてしまい、選別がうまくいかないことから一つのボールに集中できないことがあります。

また、聴覚過敏のための耳から入ってきた音がすべて脳に届き、通常であれば気にならない程度の音をうるさく感じ、肝心の聞きたい声が聞こえない、集中できないためにゲームに安心して参加できないということもよくあります。この聴覚過敏が視覚過敏の影響を強めることもあるのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕