発達障害児の特性の一つに、文字を読むときに頭を動かすことがあげられます。目を動かしていないわけではなくて、広い範囲の文字を読むための眼球を動かす範囲が狭いために、頭を左右に振って見るようになります。
そのために目から入ってくる画像が安定せず、目から入ってきた情報を全体的に捉えにくくなることがあります。
学習障害がある子どもの中には、視力に特に問題がなくて、よく見えているようであっても、実際には、よく見えていないことがあります。このよく見えていない状態は、運動をするときにも影響を与えます。
キャッチボールではボールのコースが読めない、キャッチできない、キャッチしたとしても、その後の動作がうまくできないということになります。
見る力が充分でないと、見るために使うエネルギーが多く必要となり、疲れやすく、目で画像を捉えていても、はっきりと見ていないようなことが起こります。
また、ちゃんと見ているようでも記憶に残りにくく、結局は頑張った割には成果が出ないという結果にもつながりがちです。
ものを見るときには、初めに共同性眼球運動(左右の目を同方向に動かす視線運動)の機能によって、両目の視線を目標とするものに移動させています。それと同時に、両眼視と調整の能力を使って、焦点を合わせて見ることになります。
眼球から入ってきた画像情報を映し出す網膜には、視力が極めてよい中心窩があり、この中心窩のカバー範囲(角度)は1.6度と狭い範囲となっています。この部分から少しでも擦れると視力は大きく低下します。
そこで眼球を動かして中心窩で目標物を捉えるようにしています。そのための能力が共同性眼球運動で、それがうまくできないことから眼球だけではなく、頭を動かして見るようになります。
共同性眼球運動には、ゆっくりと動くものを追う滑動性眼球運動と、視線を素早く移動させる衝動性眼球運動があります。学習では前者の運動能力があれば対応できるのですが、運動では後者の運動能力が必要です。
この機能が弱いとボールや動いている相手がうまく捉えられず、動いているものと固定物、例えばボールとゴールの位置関係が捉えにくくなり、大事なところでゴールが決められないというようなことが起こります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕