発達特性2 「発達特性」を用いる意味と意義

「発達特性」は発達障害を言い換えた用語ですが、単に見た目を変えただけではありません。発達障害の特性と改善のために取り組まなければならない本質を伝えることを目的に考え出したオリジナル造語です。

発達障害は、精神面、運動面の発達に遅れている部分があるために、対人コミュニケーション能力や気を利かせる能力、問題を解決する能力などの低下が認められています。日常生活に支障があり、周囲と違った行動をすることから、社会適応に向けての支援が必要となる特徴があります。

一般的には知的レベルには問題がないものの、空気を読めない存在と言われることがあり、発達障害児は「困った子」と指摘されることがあります。しかし、本人にとっては心のおもむくままに行動しているだけであって、それが受け入れられないことに大きな不安を感じるために「困っている子」です。

生まれつき脳の発達が通常と違っていて、脳の働きに偏りがあるために、物事の捉え方や行動パターンなどに違いが生じて、身体や学習、言語、行動などにおいて幼児のうち(通常は3歳児くらい)から症状が現れ、日常生活に困難が生じている状態です。そのために通常の育児ではうまく対応ができない状態となっています。

この状態を見て、通常の方法では対応できない困った状態と考えるのか、他とは違う特性があるので、その特性を理解して、特性に合わせた対応を考えていこうとするのか、そこが大きな分かれ道であり、重要なポイントとなります。

脳の発達の違いがあると、成長するにつれて、自分自身のもつ不得手な部分に気づき、生きにくさを感じることがあります。そのときに、ずっと生きにくさを感じて引きずっていくことになるのか、今は生きにくさを感じていても将来的に解決されることがあるのか、後者の可能性があるかないかでは本人の感覚がまったく違ってきます。

発達の特性は通常は生涯にわたって継続するものですが、その特性を本人や家族、周囲の人がよく理解し、その人に合ったやり方で日常的な暮らしや学校・職場での過ごし方を工夫することができれば、持っている本来の力が活かされるようになります。

このような改善を目指して、私たちはオリジナル造語の「発達特性」を用いて活動をしています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕