発達障害は、2003年当時の調査では小学生・中学生の中では3万人強という状態でした。それが最新データでは16万人を超えています。文部科学省が2022年に実施した『通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査』の結果では、約8.8%程度の割合で通常の学級に発達障害児が在籍していると報告されています。
現在の人口は小学生が約605万人、中学生が約318万人であるので、これから計算すると80万人の該当者がいても不思議ではない状況です。
先のデータは、すべての発達障害児を把握したものではないわけですが、10%に達しているということは以前から言われてきました。発達障害は子どもだけの状態ではなく、その特性は生涯にわたって続きます。
社会を生き抜くどころか、社会に馴染むことができない、コミュニケーションも限られた人とだけしかできないということも見られる発達障害が、国民の10人に1人の割合で存在するという事実があります。
その事実を知ったら、「もともと特別なonly one」であり、「誰とも代わることがない尊い存在」である子どもたちを支援は、特性があっても活躍ができる社会を構築することであり、それ以前に発達障害の実態を知ってもらう活動だと強く認識しています。
発達障害は、発達障害者支援法には「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」(第2条)と定義されています。
発達障害は、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)の3つに大きく分類されています。このほかにトゥレット症候群、チック障害、吃音(症)なども発達障害に含まれます。
発達障害の特徴が重なり合っている場合も多く、どのタイプにあたるのか発達障害の種類を明確に分けて診断するのは難しいとされています。年齢や環境によって目立つ特性が違うことから、診断された時期によって診断名が異なる場合もあります。
これらは、生まれつき脳の一部の機能に障害があるという点が共通しています。同じ人に、いくつかのタイプの発達障害があることも珍しくなくて、そのため同じ障害がある人同士でも、まったく似ていないように見えることがあります。個人差が非常に大きいという点も発達障害の特徴といえます。
また、複数の状態が重なり合って現れることもあり、そのために発達障害の種類を明確に分けて診断することは難しく、早期発見が遅れることにもつながっているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕