発達障害は医学的な診断がされますが、それは過去の例に照らし合わせて、それに当てはまるか、その状態の程度によって判定されています。過去の例が豊富にあって、その特徴が一定であれば的確に判定することは可能です。
ところが、発達障害の診断は長い歴史があるものではなく、また発達障害の特徴とされることも個人の性格や持って生まれた特性によってばらつきが大きく、専門医でも判断に迷うことがあります。
専門医というのは精神・神経科の医師というだけでなく、子どもの特徴、成長段階による差の振れ幅がわかっていて、さらには発達障害の子どもを、どれだけ診てきたかで判断されることです。
児童発達支援施設で実際にあったことをリサーチしていくと、発達障害と診断された子どもを預かってみて、どうも違っているのではないかと疑問を抱いている発達支援の専門家もいます。
私が関わっている施設の例ですが、発達障害があるとして児童発達支援施設で改善指導を受けに来ている子どもの弟を、保護者が連れてきたことがあります。その行動から弟のほうが明らかに発達障害の特性が見られることから、専門医の診断をすすめたのですが、保護者が認めないということもありました。
発達障害の特性としてあげられることの中には、日常生活の中で当たり前の行動の範囲とされることもあります。その子どもの普段の行動がわからない状態で、判定すると間違いかねないことも多々あります。
また、特性は日によっての差、時間によっての差、対面する人による差もあって、判定されたときには、いわゆる“調子が悪い状態”であることも少なくありません。そこまで保護者が伝えた上での判定なのか、そこは確認する必要があります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕