発達障害のグレーゾーンは予備群なのか

発達障害は自閉症スペクトラム障害、注意欠如・多動性障害、学習障害の3種類が代表的なものとされています。それぞれ単独で現れるとは限らず、重なって現れることがあります。この重なりは○(円)を3つ描いて、少しだけ重なるように表現されることがあり、この表現だと3つの○の外側がグレーゾーンとされています。しかし、これではグレーゾーンを的確に表していないと感じている人もいます。
グレーゾーンというと、生活習慣病では診断基準の検査数値に達している人と、まったく問題がない人との間を指しています。それと同じような印象で、発達障害と診断される人と判断されない人の間の人、ある医師には発達障害と診断されなかった人が別の医師の診断を受けた場合には発達障害となる可能性が高いということを一般に指しているという認識です。
発達障害者支援法によると、発達障害の早期発見は地方公共団体の責務と定められていて、早期発見への取り組みが進めば、これまで発達障害として確認されていなかった人が発達障害と診断されることになります。そのときに診断される人がグレーゾーンと考えられています。
発達障害は脳の機能に関係していることから、日によって状態が異なることは当然のようにあることです。発達障害は日常生活に支障があることが前提となっていて、同じ診断基準に当てはめても、疲れてはいないときには発達障害にまでなっていないという結果になっても、疲れているときには発達障害と診断されることもあるということです。
発達障害は周囲との交流がうまくいかないことから強いプレッシャーを受けやすく、特に感覚過敏の人は視覚、聴覚、嗅覚が刺激されっぱなしになって、人付き合いとは関係がないところでも脳に負担がかかり、プレッシャーを受けやすい状態になっています。ちょっとしたことで疲労度が高まってしまうことから、グレーゾーンであっても発達障害かもしれないと思って、細かな対応をしなければいけない、そのための情報発信が重要であると認識しています。