発達障害の人は、相当の苦しみを感じて暮らしていますが、それに追い討ちをかけるように起こるのが二次障害です。二次障害としては、うつ、不安症、摂食障害、パーソナリティ障害などがあげられています。これは男女ともに同じことですが、女性は子どものときに発達障害であることに気づかれずに、二次障害が起こったことをきっかけとして、発達障害であることが判明したという例も少なくありません。
発達障害の自閉症スペクトラム障害は、周囲とのコミュニケーションを取るのが苦手で、周囲とのズレを感じて自信が持てない、生きづらいと感じることが多くなっています。また、こだわりが強いのも特徴のひとつです。これは男女ともにみられることですが、女性の場合には、こだわりの方向が食事に向かうことから、その種類やエネルギー量(カロリー)だけでなく、体重や体型といったところまで進むとダイエットに極端なこだわりが生じることがあります。そのために摂食障害が起こることにもなります。
自閉症スペクトラム障害では感覚過敏が起こり、これが原因となって食べられない食品や料理が増えていきます。ただでも栄養素が不足しているところに、摂食障害で食べる量が減ってしまうと、やせすぎて体調管理ができなくなってしまうこともあります。
パーソナリティ障害は人格障害とも呼ばれ、一般社会の中で期待される規範とは異なる思考、知覚、反応、対人関係のパターンが若いときからみられることを指しています。子どものころには“おっちょこちょい”などと軽い気持ちで見守っていられることも、注意力が低下している状態が大人になっても続くとなると笑って済まされることではなくなります。特に女性は気を使った付き合いが求められることが多く、“気が利かない”“空気が読めない”というマイナスに取られてしまうことにもなります。
発達障害の女性は、うまくいかなかった失敗体験が次々と重なって、自信が持てなくなるだけでなく、これが二次障害へとつながりやすいということです。