発達障害の感覚過敏の視覚過敏で食べられなくなる

発達障害の自閉症スペクトラム障害にみられる感覚過敏について、前に味覚過敏と食べることに直接関わることについて紹介しました。今回は食事に関わる視覚過敏について取り上げます。
視覚過敏では、白いものしか食べられないという子どもがいます。欧米の発達障害児の場合には黄色いものしか食べられないという例が多いのですが、日本人の場合には白いものしか食べられない、飲めないという視覚過敏が目立っています。その理由は明らかにされてはいないのですが、これは健康維持には悪いことではありません。というのは、日本の主食の米、パンでは白い食パン、麺類ではうどんといったエネルギー源があるからです。
白いものしかダメだという子どもがいる一方で、逆に白い食べ物や飲み物が嫌い、嫌いで済まなくて受けつけないという子どもも少数派ではあるものの、間違いなく存在しています。これは視覚過敏のせいだけでなく、記憶や思い出が関係していることもあります。その引き金となっていることに牛乳があげられています。牛乳の味覚が嫌であった、牛が大きくて臭くて嫌いだから牛乳も嫌い、飲みたくない牛乳を無理に飲ませられたので嫌いになったということから、その牛乳の色である白いものを受けつけなくなるということが起こります。
食べ物の色だけでなく、白いものしか食べられない子どもは白い食器で提供される食べ物は平気でも、色がついた食器はだめで、子ども用の可愛い絵柄の食器では食べられないということがあります。これとは逆に、白い食器に乗っているだけで食欲が湧かないということもあります。食器の色は食べ物の色とのバランスが考えられていて、それで季節感や感じたり、おいしさが高まるというのが通常ですが、普通で考えると食欲が湧かない色合いの組み合わせの食器でないと逆に食欲が湧かないという提供する側にしたら困ったような状況もあるのです。
食器にこだわるようになると色だけでは終わらず、丸い食器なら平気でも角がある食器は嫌い、食欲が湧かない、手で持って食べる茶碗や汁椀、カップなども手の感覚に合わないと、これが食欲を低下させることにもつながります。