発達障害の特徴について、「発達障害者支援ハンドブック2020」で解説とともに問題点が指摘されています。
注意欠如・多動性障害(ADHD)は、3つのタイプに分類されています。
1 注意欠如優位型
男子よりも女子に多くみられるタイプです。ボーッとしていて、話を聞いていないことが多いために勉強が遅れがちになります。片付けが苦手、忘れ物が多い、物をなくしやすいという特徴があります。
2 多動・衝動性優位型
男子に多くみられるもので、落ち着きがなく、じっとしていられずに動き回ります。感情のコントロールが苦手で、考える前に行動をすることがあるために、衝動的な行動が多く、友達との関係に問題が生じます。
3 混合型
不注意、多動性、衝動性のすべての特徴を持ち合わせているタイプで、注意欠如・多動性障害の8割ほどを占めていると言われます。
3種類の特徴が組み合わさると、さまざまなトラブルが引き起こされます。周囲の状況を確認せずに、いきなり行動を起こしてしまうために怪我をしやすい、興味をひかれるものの方に衝動的に駆け寄る、そのために迷子になるということもあります。友達といい関係を作るのも苦手で、不注意によって注意力に欠けると他人の感じ方など場の空気が読めず、自分勝手な行動とみられるようになります。不注意に衝動が加わるとルールを無視して行動することで友達から避難されることも多くなります。友達関係がうまくいかないイライラに加えて、衝動性からカーッとなって手を出すことも多くなり、ますます友達との関係が悪化することにもなります。
注意欠如・多動性障害は親のしつけや育て方のせいと周囲から誤解されることもありますが、子どもの脳の発達のズレによる機能障害が原因で、生まれつきのことです。とはいえ、親の接し方によって状態が悪くなることもあり、これが二次障害を引き起こすおそれもあります。