発達障害の特徴の日中の眠気

発達障害児は睡眠問題を抱えていることは調査で明らかにされています。一般には睡眠問題で多いのは睡眠習慣の乱れで、就寝する時間、起床する時間が一定しなくて、睡眠時間が長くなったり、短くなったりします。睡眠時間が短くなると、日中に眠気が起こるのは誰にとっても同じことです。この他にも不眠症、過眠症、睡眠時無呼吸症候群、睡眠時驚愕症、夢中遊行もみられています。発達障害児の中でも自閉症スペクトラム障害、注意欠如・多動性障害では、睡眠障害は50%以上にもなっていて、一般の2倍以上の頻度となっています。
その理由について、さまざまな研究機関で調査・研究が進められていますが、いまだに発達障害児に睡眠問題が起こるのかの理由について、明確な結論は出されていません。発達障害児は自律神経の調整が乱れやすく、そのために交感神経が盛んに働くべき昼間の時間帯に副交感神経が働いて、昼間に眠くなり、副交感神経が盛んに働くべき夕方以降の時間帯に交感神経が働いて、なかなか眠くならないということにもなります。逆の見方もあり、昼間に眠くなり、夜に眠くならないことから自律神経の調整が乱れていくことも考えられています。
原因はわからないものの、退屈になると眠くなる脳内メカニズムの一端が、筑波大学から発表されています。マウス実験ですが、大好物やおもちゃで気を引いてモチベーションを高めると、意欲に関わる脳の側坐核の活動が変化して、覚醒度が高まり、覚醒時間が延びて、逆に睡眠時間が減ることが見出されています。このメカニズムが人でも働いているとすると、注意欠如・多動性障害のように注意散漫であったり、自閉症スペクトラム障害のように注意や関心が向く領域が限られていると、モチベーションが高まることが少なく、強い眠気が出やすいことが考えられています。