発達障害には視覚過敏も特徴的に見られ、特定の色に興奮状態になったり、特定の色のものでないと落ち着けないということがあります。室内のものも身につけているものも青ばかりという人もいます。光にも過敏で、少しでもまぶしかったり、反射するものは受け入れられないということも、よくみられることです。
それを理解するのは、そのようなことが起こったことがない人には難しいことですが、視覚過敏とは異なるものの、日本メディカルダイエット支援機構の理事長は、視覚と聴覚のズレが以前からあって、他人の話を聞くのが苦手で、面と向かって話を聞くときにも「相手の顔を見て聞く」というビジネスマナーの第一歩ができなくなっています。これは脳の調整能力のズレなのか、脳が正直に反応しているのかと専門医に指摘を受けています。
目に見えるものと耳に聞こえるものとでは、目と耳に届く時間が違っています。雷の光(稲妻)が先に見えて、音は後から届くことからもわかるように、光のほうが音よりも早くなっています。目の前で話す人の場合は、わずかな距離であっても唇の動きのほうが先に目に届いて、声は遅れて耳に届きます。ところが、脳は微妙なズレを調整して、唇の動きと音を同時に認識するために音ズレは起こっていないように感じます。
実際には、どうなのかというと先に脳に飛び込んでくるのは音のほうです。人類は暗闇で過ごす時間が長く、目で確認することができなかったために音に反応する時間を短くして素早く対応するための仕組みができました。耳に届いた音が脳で処理されるまでの時間は0.13秒なのに対して、目に届いた視覚情報が脳で処理されるまでは0.17秒と0.04秒の差があります。この誤差を脳が調整して、口の動きと声を一致させています。
ところが、理事長は口の動きが遅れて見えるために、先に声が出て、後で口が動く、腹話術の“いっこく堂”のような状態に見えてしまいます。テレビを見ていても、口の動きから音が遅れる音ズレがずっと起こっているので、見るのが辛い状況です。だから、他人の前で話をすることは得意でも、他人の話を聞くのが苦手という発達障害のようなことになっています。
このようなことは弱点ではあるものの、発達障害の視覚過敏に悩む子どもたちを理解することには役立っています。