発達障害は、どのような状態であるかという分類は明らかになっているものの、その原因となると、いまだに解明されていません。これまでの研究から、中枢神経系の何らかの原因、遺伝子や染色体の異常(ダウン症候群、レット症候群など)、妊娠中か生後7か月〜3年の環境、妊娠期の物質使用(アルコール、喫煙など)、妊娠期における感染症、未熟児出産などが指摘されているものの、確定的な原因もわからなければ、複数の原因の関わり合いの割合などもわかっていません。
原因がわかれば、それに対する治療も明らかになってくるのですが、原因が明らかではないことから、どんな医薬品を使えば効果があるのかもわかっていません。大人になって、一定の状態だけを抑えることができればよいという状態では医薬品の使用もあるものの、成長期の子どもでは医薬品によるマイナス面を考慮すると、それ以外の方法での改善を考えるのが中心となります。
原因はわからなくても、それぞれのアプローチで改善効果がみられることは実践してみる必要はあります。しかし、その方法で効果が得られたとしても、他の人に必ず効果があるのかということは実践してみないことにはわからないというのが正直なところです。
例が的確ではないかもしれませんが、アレルギーは原因がわかっているものの、誰もが同じ原因で同じように発症するものではありません。複数の原因が積み重なってきて、その人の限界点を超えたときにアレルギー反応が起こります。原因のすべてを取り除くことができなくても、一部を取り除いたことによって限界点を下回ってアレルギー反応が収まるということはあります。これと同じような考えをすると、発達障害は複数の要因があり、それが重なったことによって特徴が現れることがあるということです。
発達障害の改善のための研究成果が得られている方法は、それぞれにアプローチしているポイントあり、一つのアプローチではあまり効果が得られなかったとしても、複数のアプローチによって効果が得られることも考えられます。その方法の研究として、日本メディカルダイエット支援機構では、食事による脳細胞のエネルギー産生を高める方法に取り組んでいます。発達障害の自閉症スペクトラム障害に多くみられる感覚過敏による極端な偏食は、エネルギー産生にも大きな影響を与えることから偏食の改善には特に力を入れて研究を進めています。