子どもの発達に必要な栄養素を知ったあとには、その栄養素が含まれている食品を、どのタイミングで摂るのかを知って、献立の内容を考えることが必要となります。1日に1回だけしか食事をしないのであれば栄養素の摂取タイミングは関係ないことになるかもしれないのですが、日本人の食事は1日に3食が原則です。3食のうち食べないという人がいたり、軽く済ませているのは朝食です。しかし、栄養素の摂取を考えると朝食の内容は重要です。
日本メディカルダイエット支援機構は発達栄養学の基本をエネルギー代謝に置いています。脳と身体を機能させるためのエネルギーを作り出すための栄養素は朝食では欠かすことができないからです。その栄養素はビタミンB群のビタミンB₆とビタミンB₁₂です。
体内のエネルギーは全身の細胞の中のミトコンドリアで作り出されています。主に材料となっているのはエネルギー源の脂肪酸とブドウ糖で、酸素を用いてミトコンドリア内のTCA回路でエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)が作られています。
TCA回路のエネルギー産生にはビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂がセットで必要となります。それなのに、なぜビタミンB₆とビタミンB₁₂を朝食で摂るように言っているかというと、体内では12時間ほどしか保持されない水溶性ビタミンだからです。
ということは夕食でも摂る必要があるということですが、ビタミンB₆とビタミンB₁₂は肉、魚、卵、乳製品に豊富に含まれているので、通常の食事で摂ることができるからです。朝食の定番の卵とハム、牛乳といった組み合わせにも意味があるのです。
ビタミンB₁とビタミンB₂は体内では24時間は保持されるので、1日に1回、どこかで摂ればよいことになります。これらは肉類、卵、大豆などに含まれています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)