発達障害は障害であるから治らないという考えがある一方で、改善のためのプログラムがあって、それを実施する専門家も多いのだから改善できるはずとの考えもあります。治ることがないのに改善の手法が実施されるわけはない、という声は発達障害児の保護者からよく聞かれることです。どちらが正しいかによって、発達障害がある人を支援する人の気持ちや態度にも影響があるのではないか、との思いもあります。
“治る”というのは悪い状態が改まったり、よい状態に戻ることを指している用語です。病気に使われる場合には、原因が取り除かれて、元の状態、普通の状態になることを指しています。発達障害の“障害”は生涯にわたって特性が続くものであるだけに、治るのかと言われると治らないと返答する医療関係者が大半です。
治らないとしても、障害は支援によって通常と変わらない状態になることは期待できます。よく例としてあげられるのはメガネの使用です。メガネがなければよく見えないのは視覚障害ということになりますが、メガネがあれば視覚障害をカバーして、障害がないのと同じように生活することも学習することもできます。
発達障害も改善のための手法によって機能を高めることは可能です。問題は、どこまで高められるか、ということで、定型発達(発達障害がない状態)まで高めることはできなくても、他の手法によって困難さ、不自由さのレベルを低くすることができれば、その低くしたレベルが機能を高めるための目標となります。
発達障害や学習障害の支援は、改善のための手助けも大事ですが、それと同時に機能を発揮させるためのツールやグッズ、家族を支援するための情報なども大切となります。その両方が合わさって改善が進むとの認識で、情報収集と情報発信に努めています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)