子どもの数が増えていれば、子どもに特徴的に現れることは増えていくもので、それとは逆に子どもの数が減っていけば減っていくというのが普通のことです。日本の少子化は長期間では大きく減っていますが、ここ10年は減少傾向が続いているものの、大きく減ったということはありません。それなら子どもの10人に1人に発現する発達障害児の数は大きく変化していないのではない、と思われがちです。
発達障害者支援法が施行されたのは平成16年(2004年)のことで、法律に基づいて文部科学省が「通常の学級に存在する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果」を実施して、発達障害児の割合を発表したのは平成24年(2012年)でした。
現在の発達障害児の数は、文部科学省の「通級による指導実施近況調査」で発表されていて、令和元年度調査では国公私立小学校、中学校、高等学校では12万4185人と、前年より1万1090人増えています。10%近い伸びについて驚きとして受け取られることが多いのですが、複数年の伸びを見てみると上向きの曲線となっています。
このうち発達障害の割合は7万2733人で、10年間で注意欠陥・多動性障害は4013人から2万4709人と約6倍、学習障害は4726人から2万2389人と約5倍、自閉症スペクトラム障害は8064人から2万5635人と約3倍も増えています。
発達障害児の改善を支援する児童発達支援事業所、放課後等デイサービスなどは年々増えているものの、今の段階では40%ほどの発達障害児にしか対応できていない状況であるので、さらに増えないことには対応できない状態であることは明らかです。この増加に社会的に対応するためには、理解をして支援する住民を増やす活動が重要ということです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)