新型コロナウイルス感染症は、子どもにも負担をかけて、その発育にも影響を与えています。子どもへの影響というとマスクの着用やワクチン接種が取り上げられることが多いのですが、マスクのために表情を読むことができず、教師などの表情が読めないために学習に影響が出ることがあり、友達とのコミュニケーションが取りにくいということになり、それが脳の発育にも影響を与えています。
脳の発育のためには、脳に充分な酸素が送られることが必要で、酸素によって脳細胞の中でのエネルギー産生が高まります。マスクの着用で酸素が減るだけでなく、コロナ禍で行動自粛となった影響から子どもの活動量も減り、これも脳への酸素供給を減らすことにもなっています。
発達障害児の場合には、脳の機能が部分的に低下しているために脳全体をバランスよく使うことができないことから、脳への負荷が強くなっています。これを改善するためにも、また多くのエネルギーが必要となります。しかし、発達支援の現場ではマスクを着用しての運動や機能訓練が行われ、学習支援の現場でもマスクをしたまま脳をフル回転させなければならない状態になっています。
発達障害児の支援には、そのような状況を踏まえての対策も必要で、まずはマスクや行動自粛による発達への影響、コミュニケーションが取りにくいことによる発達への影響を理解しておくことが大切になります。発達支援のプログラムも、新型コロナウイルス感染症が拡大する前のものを引き続き使うのではなく、コロナ禍を経験してわかった子どもへの影響、中でも全体の10%とされる発達障害児のへの影響を考慮して、新たなプログラムを作成して臨むことが求められているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)