発達障害サポーター40 栄養の影響を考えると発現は誰のせいなのか

発達障害の原因としては遺伝が考えられていることから、遺伝特性があれば子どもに発現するのは仕方がないと考える向きもあります。しかし、遺伝特性があれば必ず発現するものではなくて、成長の基本中の基本となる栄養バランスの乱れ、必要とする栄養素の不足が大きく影響をしています。
発達障害児、学習障害児の改善支援をしている施設では、栄養摂取の必要性を強く認識しているところも増えています。その対応として発達栄養の導入を考えているところも少なくはないのですが、実際には職員が講習を受けて、相談があったときに返答するための知識として得ているという段階のところが、まだ多いようです。
というのは、発達栄養を最も知って、具体的な食事を通じて家庭内で支援をする保護者の方々が、発達障害児の対応のためにすることが多く、また発達支援のためにかかる費用のために働いて稼がなければならないということも多いからです。そのために、発達栄養を学ぶ機会を提供しても、なかなか集まらない、実施したくてもできないということになっています。
遺伝特性があっても、栄養摂取が充分であれば発現しないこともあり、発現したとしても状態が悪くなりにくく、改善のための支援が有効になりやすい、ということがあります。もしも、発達段階の栄養が充分でなかったり、偏りがあったために発現した場合には、今からでも発達栄養の基本を知り、栄養面でも改善への取り組みも始めてほしいのです。
そうすることによって施設での改善の支援も効果が出やすくなります。ここの施設で発達栄養の講習を実施することは難しくても、複数の施設が連携して地域で実施する、自治体の協力を得て実施するということは可能です。講師の費用がかかっても、多くの受講者がいれば実施しやすくなります。
そのためには、発達障害の理解を地域で広めることも大切であり、発達障害の理解のための発達障害サポーターの目的の一つとして、発達栄養の普及も含めているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)