発達障害児は、その特性からコミュニケーションが苦手で、大きなプレッシャーがかかっています。現状のプレッシャーから、できるだけ解放してあげるようにすることも大切ですが、それと同時に社会的障壁を取り除くために理解を進めることや、身体的な支援としての栄養補給も大切です。その支援が発達障害サポーターの普及であり、日本メディカルダイエット支援機構が実施している発達栄養の講習です。
発達障害の支援活動というと、どうしても発達障害児が注目され、その保護者の支援も重要であることが言われます。それと同時に支援が必要なのが「きょうだい児」ですが、支援の前に理解も不足しているのが実情です。
きょうだい児というのは、兄弟姉妹に障害者がいる子どものことで、障害の中には発達障害も含まれます。兄弟姉妹に発達障害児がいる子どもは、定型発達の兄弟姉妹がいる子どもに比べて、大きなプレッシャーがかかっています。
周囲から心ないことを言われる、障害がある兄弟姉妹を守ってやれなかった自分を責める、障害がある兄弟姉妹に親の手間がかかるために甘えられない、食べたいものがあっても我慢をするといったことが例としてあげられています。
このほかにも、自分のものを勝手にいじられる、部屋に勝手に入られる、ゴミ箱をチェックされるということがあったり、発達障害がある兄弟姉妹に嫌なことをされたときに、気をつけてあげなかったことが悪いと親から責められるようなこともあります。
これは発達障害児、障害児でなくても、弟や妹がいる人なら多かれ少なかれ経験があることですが、このことは子どものときだけのこと、成人になってからはなくなるものです。しかし、きょうだい児の場合には、障害がある兄弟姉妹が成人になってからも続くことがあります。
これは発達障害だけでなくて、障害全般的なことですが、障害児の保護者に対する調査で、13%ほどが病状以外の問題として、きょうだい児の養育をあげていて、きょうだい児に充分な手間をかけるゆとりがない状態であることが明らかになっています。障害がある子どもに手間がかかって、兄弟姉妹に手間をかけられなかったというだけでなく、親に構ってもらえなかった、親からの評価や接し方が平等でなかったと感じることが多くなっています。
きょうだい児の解決のための施策を考えることも必要ですが、その前に、きょうだい児の存在、その子どもたちのプレッシャーを理解することが、まずは大切だということです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)