発達障害児でも安心できるヘアサロン

発達障害の自閉症スペクトラム障害には、その特性として感覚過敏が多くみられます。触覚、視覚、聴覚、嗅覚、味覚の五感のどれか、もしくは複数の感覚が過敏すぎるために、普通に考えたら何も問題がないようなことでも耐えられなくなっています。その五感の感覚過敏がすべて関係してくるのは食事のときですが、味覚を除いた四感の過敏に注意しなければならないことがあります。それはヘアサロンでのカットのときです。
目の前で、耳元でハサミが使われるのは不安という人は、特に感覚過敏でなくても普通に存在しています。カットのときに首に紐を結ばれる布クロスも、シャンプーのときのビニールクロスも首が締められて気分が悪いというのも普通にあります。シャンプーの臭いも、髪を洗うときの指の圧力も気になる人には嫌な感覚です。バリカンやドライヤーの音も苦手な人は少なくありません。
このようなことは感覚過敏の子どもには苦痛でしかありません。一定の時間、椅子に腰掛けたままで自由にならないという状況も、初めての場所、初めての人が苦手な発達障害児には苦痛です。中には周りに知らない人がいるというヘアサロンにいるだけでも苦痛となります。
そのためにヘアカットは自宅でするしかない、と考えている親も多く存在しています。自分の親ならハサミを使われても安心という子どもも多く、最近では自宅でのヘアカットの方法を教えるボランティア活動をしている理容師、美容師も増えつつあります。
しかし、発達障害児でも安心してヘアカットにつれていけるようなヘアサロンとなると、関東、近畿、九州に発達障害児のためのカットに取り組んでいるグループはあるものの、まだまだ理解してくれているのは少数派でしかありません。発達障害児のことを充分に理解していたとしても、カットには時間がかかり、それぞれの感覚過敏に合わせた方法をするにも時間がかかります。
子どもの10%も発達障害児がいるという状況にあっては、地域の既存のヘアサロンに発達障害を理解してもらい、少ない機会でもよいので、発達障害児を受け入れるようにしてほしいのです。これによって、発達障害児が少しでも社会と触れ合い、苦手なことでも受け入れていけるような機会が増えること望んでいます。そのためにも日本メディカルダイエット支援機構では、微力ながらも社会の理解を進める活動に取り組んでいます。