発達障害児の考える前に行動する特徴

新型コロナウイルスの感染拡大から、繁華街の外出を避けるように大人がいくら言っても、若者は言うことを聞かず、東京の渋谷や原宿に多くの若者が出歩いていました。不要不急の外出を避けることは必要だと言われても、密閉空間、密着場所、密接場面の3つの密でなければ感染リスクが低いということが報道されると、外だから感染しないと考えるのもわからないではない気がします。
繁華街を歩くだけで、店にも入らないから安全だという感覚のようですが、繁華街に来るまでの移動手段が3つの密に該当する混雑した電車であれば、繁華街に行くのは安全ではないということになります。しかし、そのことを考えることもなく、家の中にいるのはつまらないから、友達を遊びたいからという気持ちが優先されて、詳しいことを考えることなく行動に移しています。
この状態についてテレビ番組のコメンテーターが「発達障害ではないか」という発言をしていました。考える前に行動を起こすのは、発達障害障害の注意欠如・多動性障害に特徴的にみられることです。じっとしていられないという特性は、今回の深く考えることなくリスクが高いところに行くという若者の行動と共通しているようにも感じます。リスクの高いところに、リスクの高い移動法で来たことを他から指摘されて、初めて気づいたという声もありました。
不要不急の外出は自粛するように言われていることはわかっていても、本人にしてみると不要不急だという感覚を持っています。感染防止のために一斉休校となった小学校、中学校、高等学校、特別養護学校は4月から一斉開校されるとの話があったとき、それまでの期間しか友達と遊ぶ機会がないからというのは、当事者にとっては不要不急ではなくて“必要火急”の用件となっています。発達障害児のような行動を多くの若者が我慢できずにやってしまうことを見ると、考える前に行動をするのは発達障害児だけの特性ではないようにも思われます。発達障害児を考えた対応を、子どもに対してもやらなければならない状況になっているのかもしれません。