発達障害児はタイプに合わせて対応する

タイプ分けをして、それに従ったマニュアルで対応することは、個性を活かす育児や教育では避けるべきだという考えもあります。しかし、相手を見極めて、相手の行動に合わせて器用に反応するということが苦手な発達障害の子どもたちと付き合うときには、タイプ分けも有効になります。
発達障害児に伝わりにくいときには、伝わるようにする工夫が必要で、言葉で説明したほうがわかるようならキーワードを用いて理解できるように積み重ねていくことが大切になり、絵や図などのビジュアルで説明したほうがわかるようなら、できるだけ図解します。
言葉のほうがわかるということであれば、その言葉の選び方さえ間違わなければよいのですが、方言とまではいかなくても、その地域特有の言葉づかいをすると理解しにくいことがあるので、共通語を使うことがすすめられます。絵や図は多用すればよいということではなくて、数が多くなると混乱させることもあります。まずは全体像を理解させる図解を示して、それから細部を説明するといったような工夫も必要となります。
この方法は一般的な話で、順序立てて考えて理解するタイプの場合にはスタートとラストを決めて、その間を埋めて順番に説明していくようにします。全体像を把握するタイプ、というか全体像がわからないと理解できないタイプに対しては、言葉で伝える場合であっても絵や図で伝えるタイプであっても、できるだけ簡単な図解をして、その流れを示しながら説明することが大事です。
記憶力がよいようなら、順を追って説明するだけでもわかってもらえるのですが、記憶力がよくないようなら、前に言った大切なキーワードを忘れていることもあるので、大事なことは繰り返し伝えるようにします。理解したことを行動に移すときも、行動や動作が早いのか、それとも遅いのかによって、やるべきことが違ってきます。行動が遅い場合には、手順が覚えにくいということもあるので、動線に合わせて使うものを配置するといったことが必要です。そういった工夫をしないで、手順が違うことを叱ったり、急かしたりするようなことはしてはいけないということです。