WHO(世界保健機関)は新型コロナウイルス対策としてマスク着用に関する指針を発表しました。対象となるのは18歳未満ですが、その対象者の中に発達障害児が含まれていました。
5歳以下の子どもに関しては、「子どもの安全と総合的な利益、最低限の支援で適切にマスクを使用できる能力」に鑑みて、原則としてマスクを着用すべきでないとしています。原則ということは例外があるわけで、それは5歳以下の子どもが体調がよくない人と接触する場合で、このときには保護者の監督下でマスクを着用するように求めています。
12歳以上は大人と同様の扱いとして、それぞれの国や自治体が大人にマスク着用を義務づけている場合には着用すべきだとしています。具体的には、他者と1m以上の距離を取れない場合や、感染が広まっている地域においては着用すべきだということです。
10代の若者は、低年齢の幼児よりもウイルス拡散を助長している可能性があることを示しています。6〜11歳では、「地域で感染が広まっているか」「子どもが安全に、適切にマスクを使えるか」「マスクの入手のしやすさ」「学習や身体の発達の影響」などを考慮して、マスク着用の是非を判断すべきだと助言しています。
メディア報道では、発達障害児だけが特別にマスクの使用を強制しないと伝えられていましたが、発達障害児のほかに障害児や特定の健康状態の子どもも含まれていました。これらの子どもの場合には、保護者、教育者、医療提供者がケースバイケースで判断すべきだとして、さらに運動時には呼吸を妨げないようにマスクをすべきでないとも述べています。
発達障害の自閉症スペクトラム障害では感覚過敏の特性があり、触覚過敏では特にマスクが着用できないという例も少なくありません。
子どもは、どのようなマスクをすればよいのかという記載はされていないのですが、60歳以上や基礎疾患がある人は医療用マスクを着用すべきだとしています。