発達障害支援1 困難さの改善には周囲の理解が必要

発達障害児の数は調査がされるたびに増えています。少子化によって子どもの数が減っているのに逆に増えているということは、それだけ急激に増えていることを示しています。

文部科学省は2022年に『通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査』を実施して、その結果を発表しました。

この調査によると、通常教育を受けている子どものうち発達障害の可能性がある小中学生は8.8%と発表されています。これは知的発達に遅れはないものの学習面や行動面に著しい困難を示すと担任が回答した児童で、担任の主観に基づく調査結果です。

10年前の調査では6.5%でしたが、その当時でも実際には10%に達していると推定されていました。10%であるとしても、それは子どもの段階だけのことではなくて、発達障害の特性は生涯にわたって続くものです。成長につれて周囲との付き合い方がうまくなって、コミュニケーションの困難さは徐々に改善されていくことがあったとしても、完全に改善されることがないことは多くの人に初めに知っておいてほしいことです。

発達障害児の改善のために、学校では特別支援学級が設けられ、地域では児童発達支援施設や放課後等デイサービスなどによって、さまざまな支援が行われています。しかし、支援が必要な子どもの数に対して受け入れ人数が不足しているのが実際のところで、家庭内で実践できる支援も必要となっています。

しかし、その支援のためには、まずは発達障害について地域における理解を進めること、理解に基づいて、それぞれの方ができるところから支援に取り組むことが重要となってきます。

発達障害児の支援は、2001年に施行された発達障害者支援法によって自治体の責務の一つとされましたが、いまだに法律に基づいた支援が充分に行われている状態ではありません。それだけに公助に頼るのではなく、かといって自助で負うものではなく、地域で自治体や各活動団体などが協力して取り組む共助が求められているということを伝えたいのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕