発達障害支援18 パニックへの対応

今の状態から逃れたい心理状態になるとパニック状態になることがあります。パニックは突発的な生命の危機に直面したときに起こる身体反応で、鼓動が早くなる、血の気が引いて冷静に考えられなくなる、大声で叫び出したい気分に襲われることを指しています。

発達障害がある子どもの場合には、実際に大声をあげて走り出すこともありますが、これは危険を回避して逃げるためには必要なことであり、身体に備わった生き延びるためのプログラムとされます。

パニックを引き起こす状態が続くと、突然理由もなくパニック発作が起こることもあります。パニック発作は、動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震え起こり、命の危険がないにも関わらず命が脅かされているような不安や恐怖を感じて、激しい身体反応が起こる状態をいいます。

子どもがパニックになるのには理由があり、苦手な課題をやらせようとするとパニックが起こることがあります。その場合には、できることから少しずつ課題を与えることが必要になります。手がけていることを途中で中断させることがあるとパニックを起こすことがあります。

自分なりの計画を立てて、時間配分をして実施している場合には、それを尊重して時間をかけて実施するようにさせます。また、見通しを立てずに実施している場合には、時間や終了の目標などを明確に示すことも大切になります。

パニックを起こしやすい子どもは、否定的な言葉を使われるとパニックにつながりやすい特徴があります。そのため、「〜をしてはダメ」ではなく、「〜しよう」というように肯定文で伝えるようにします。

ほめることは大切な対応ではあるものの、パニックを起こしやすい状態のときに、ほめることは心理的な負担を高めることになりやすいことがあります。そのため、落ち着いているときに、ほめるように配慮します。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕