発達障害支援4 発達障害者支援法のデメリット

法律は世の中をよくするために施行されるものであって、メリット、デメリットという表現はふさわしくはないというのが一般的な感覚です。しかし、発達障害児と、その保護者の支援活動を行っていると、デメリットと呼んでもよいような状況を目の当たりにすることもあります。

保護者は、子どもが定型発達(発達障害でない状態)であっても、子どもの特性や志向などに合わせて、できる限りの支援をしていくことは、当たり前に求められることです。

発達障害児が困っていることがあれば、保護者として他人に任せるのではなく、自らの努力と工夫をもって進めていく責任があるはずです。

しかし、発達障害者支援法(第三条)によって、発達障害児の支援は国や地方公共団体(自治体)の責務とされ、発達障害児の発達障害の症状の発現後できるだけ早期に把握すること、就学前(小学校入学前)も就学後も発達支援が行われるようにすることが定められました。

そのために、本来なら保護者が率先して実施すべきことまで、自治体や福祉関係者に任せてしまう保護者が増えるようなことにもなっています。

発達障害者支援法の第四条には国民の責務として、「国民は、個々の発達障害の特性その他発達障害に関する理解を深めるとともに、基本理念にのっとり、発達障害者の自立及び社会参加に協力するように努めなければならない」と書かれています。

発達障害児のことを理解して、手助けするのは、すべての国民の責務であるということを、まるで周囲の他人の責務と捉えている保護者も少なからずいます。国民の責務は、保護者やその家族の責務ということも含んでいます。

誰もが発達障害児の状況を理解して、社会で安心して暮らせるようにする責任があるということで、発達障害児の困難さや苦しさを身近にいて最も理解している保護者が、子どもが自立できるように最大の応援団になるのは当たり前のことなのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕