三大発達障害(自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害、学習障害)について、一つずつ基礎的な知識として持ってほしいことを紹介していきます。
対人関係の困難、パターン化した行動や強いこだわりの症状がみられる障害は、以前は広汎性発達障害と呼ばれていました。
2013年に改定された診断基準では広汎性発達障害の分類がなくなり、自閉症スペクトラム障害という診断名となりました。自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorders)は自閉症とアスペルガー症候群に分類され、①対人関係の障害、コミュニケーションの障害、②こだわり、興味の偏りの2つでの診断とされています。
自閉症は脳の働き方(メカニズム)が違い、物事の理解の仕方や感覚の感じ方が異なっていると考えられています。自閉症は言葉の発達の遅れ、対人関係・社会性の障害、パターン化した行動やこだわりが特徴となっています。
アスペルガー症候群は、基本的に言葉の発達の遅れはなく、対人関係・社会性の障害、パターン化した行動や興味・関心の偏り、言語発達に比べて不器用といった特徴があります。
知的には一般より高い人から低い人までのパターンがあり、連続的な複合体であり、スペクトラムは虹のように部分を取った場合には特徴が目立っているのに境界線がなく、移ろっている様子を指しています。
自閉症スペクトラム障害は3歳くらいまでに現れることが多いものの、小学生の年代まで問題が顕在しないこともあります。中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定されています。
典型的には、1歳台で、人の目を見ることが少ない、指さしをしない、他の子どもに関心がないなどの様子がみられます。このような対人関係に関連した行動は、通常の子どもでは急速に伸びるのに対して、自閉症/アスペルガー症候群の子どもでははっきりとしていません。
保育所や幼稚園に入ると、一人遊びが多く、集団行動が苦手など、人との関わり方が独特なことで気づかれることがあります。