発達障害者のパニック障害を防ぐには何をすればよいのか

パニック発作は一生涯のうちに100人に4〜5人が発症するとされています。パニック発作は1回だけで終わることもあれば、繰り返し起こることもあり、1回だけのパニック発作をきっかけとして、いつパニック発作が起こるかわからない状態となると、これはパニック障害と診断されます。パニック障害までいくのはパニック発作の4〜5倍、つまり100人に1人の割合となっています。
発達障害児はコミュニケーションが苦手で、心理的なプレッシャーから動悸、めまい、呼吸困難が起こりやすく、ブレーキがかからずに、パニック発作まで進んでしまうことにもなります。その確率は一般の2倍にも及んでいます。2倍ということは100人に8〜10人で、約10%という確率は、ちょうと発達障害の発現率と同様の確率ということです。
パニック発作の原因は過労やストレスとされ、不安な感情が高まってくると脳内の神経伝達物質のアドレナリン量が過剰になってきます。これは誰もが同じであるはずですが、ストレスに対する防御反応が過剰に高まりすぎて、セロトニンが不足するようになります。セロトニンにはアドレナリンの働きを抑える作用があり、セロトニンが多くなればアドレナリンは減ってパニック発作は起こりにくくなります。
精神的な疲労が高まると体内の乳酸が増えて、その結果としてセロトニンが減り、そのためにアドレナリンが増えて、パニック発作が起こらないようにかけられているブレーキが外れてしまいます。
幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンは脳内で作られ、分泌される神経伝達物質ですが、脳内で作られているのは約20%で、それ以外は腸管で作られているとされています。腸管で90%、血液中で8%、脳内では2%だけという研究成果もあるのですが、どちらにしても腸内で作られる量が圧倒的に多くて、それには腸内細菌の善玉菌が関わっています。善玉菌を増やすための栄養源である糖質と食物繊維、中でも善玉菌の代表格であるビフィズス菌の栄養源となっているオリゴ糖を摂ることが大切です。
善玉菌は腸内の温度が高くなることで活性化するので、腸が温まるように全身の血流量を増やすように身体を動かす機会を増やすことです。もう一つはセロトニンの材料となる必須アミノ酸のトリプトファンを摂ることで、トリプトファンは食品のたんぱく質の中に含まれているので、肉、魚、卵、豆、種子、乳製品を食べるようにします。バナナやチョコレートにも含まれていることから、これらの食品がすすめられることもあります。