睡眠ガイド36 睡眠に影響を及ぼすカフェイン1

厚生労働省から、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が発表されました。

以下に、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の「睡眠と嗜好品について」の「カフェイン」(2回)を紹介します。

〔カフェイン〕
カフェインの代謝には個人差があり、日本人の血中半減期(血液中のカフェイン濃度が半分になるのに要する時間)も3〜7時間とばらつきがあります。

半減期が5時間であった場合、たとえば朝9時に400mgのカフェインを一度摂取すると、14時に200mg相当、19時に100mg相当のカフェインが体内に残存することとなります。

夕方以降に100mg以上のカフェインを摂取することで入眠困難や徐波睡眠(熟睡)の減少、中途覚醒の増加が生じるため、400mgを超えるカフェインを摂取することは、1日のどの時点であっても(仮に朝の摂取であったとしても)、睡眠に悪影響を与える可能性があります。

なお、カフェイン400mgの目安は、ドリップコーヒーで珈琲カップ4杯分(700cc)、市販のペットボトルコーヒーで1.5本分(750cc)に含まれる量です。

アメリカ食品医薬品局(FDA)、欧州食品安全機関(EFSA)、カナダ政府などは、成人の1日当たりのカフェイン上限摂取量として400mgを推奨しています。

眠気覚ましにもカフェインを摂取している人も少なからずいると思いますが、慢性的な摂取では効果が減弱し、依存も生じます。日中の眠気は慢性的な睡眠不足や、睡眠障害などに起因する場合もあります。

睡眠時間の適正化を図るとともに、睡眠環境や生活習慣の見直しを行い、それでも日中の眠気が改善しない場合は医師に相談しましょう。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕