厚生労働省から、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が発表されました。
以下に、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の「睡眠障害について」の「睡眠に関連する症状と睡眠障害」の後半を紹介します。
〔睡眠に関連する症状と睡眠障害〕
「睡眠休養感の低下」
睡眠休養感の低下が認められる代表的な睡眠障害として、不眠症、睡眠不足症候群、閉塞性睡眠時無呼吸、むずむず脚症候群などがあります。いずれの睡眠障害においても、睡眠休養感の低下は、中途覚醒の増加と睡眠効率の低下、睡眠時間の短縮に伴い、睡眠による十分な休養が得られていない状態を反映していると考えられますが、その他にも、日中の眠気、抑うつ症状なども睡眠休養感の低下と関連することが示されており、これらの複合的な要因が睡眠休養感の低下に寄与していると思われます。
「日中の眠気・居眠り」
日中の眠気や居眠りを主症状とする代表的な睡眠障害として、睡眠不足症候群、閉塞性睡眠時無呼吸、周期性四肢運動障害、過眠症などがあります。睡眠不足症候群は、十分な睡眠の機会を確保していないために睡眠不足となり、眠気が生じます。
閉塞性睡眠時無呼吸、周期性四肢運動障害は、十分な睡眠の機会を確保しているにもかかわらず、夜間の睡眠による休息機能が十分発揮しないため、日中に不足分の睡眠欲求が生じた結果、眠気や居眠りとなって生じます。過眠症は、夜間の睡眠はある程度休息機能を発揮しているにもかかわらず、日中に眠気や居眠りが生じます。
多くの睡眠障害で日中に生じる眠気は、慢性的に持続することがほとんどですが、重症の閉塞性睡眠時無呼吸では突発的な居眠りが生じることがあります。また、過眠症の中でもナルコレプシーという疾患では、発作的に強い眠気・居眠りが繰り返し生じますが、発作からは極めて短時間(数分間)で回復し、発作からの回復後は、眠気が解消したかのようにみえます。
「その他」
社会的に望ましいタイミングに合わせて寝起きできない場合、睡眠・覚醒相後退障害、睡眠・覚醒相前進障害などの睡眠障害の可能性があります。睡眠・覚醒相後退障害は思春期や若年成人に多くみられ、極端な遅寝遅起きのため、学校や仕事に遅刻するなどして社会生活に支障を来たします。
睡眠・覚醒相前進障害は高齢者に多くみられ、極端な早寝早起きを特徴とします。夕方からの夜の早い時間帯に眠気が出現し、深夜から早朝に目が覚め、同居者などとの生活リズムが合わなくなります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕