厚生労働省から、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が発表されました。
以下に、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の「妊娠・子育て・更年期と良好な睡眠について」の「妊娠中の睡眠変動とその対策及び胎児への影響」を紹介します。
〔妊娠中の睡眠変動とその対策及び胎児への影響〕
妊娠すると、ホルモン分泌パターンが大きく変化します。特に、妊娠初期にはエストロゲン、プロゲステロンの分泌が一時的に低下し、妊娠周期が進むにつれて両ホルモンの分泌量が増加します。
この影響で妊娠初期には睡眠が妨げられることがあります。また、妊娠初期はつわり(悪阻)や妊娠に関する心配事も多く、これによる不安・ストレスが睡眠に影響します。
妊娠中期(妊娠14〜27週)には一時的に睡眠が安定しますが、妊娠中期の終わり頃からお腹が大きくなり胎動が増えると、眠りが浅くなり、夜中に眼が覚めることが多くなります。
妊娠後期(妊娠28週〜)には、足の不快感(むずむず脚症候群)やこむらがえり(ふくらはぎの筋肉のけいれん)、閉塞性睡眠時無呼吸などが生じやすくなります。
このように妊娠期間を通して、約8割の妊婦は睡眠が不安定になり、これに伴う昼間の眠気、疲労感、イライラ、集中力の低下を経験します。眠りが浅くなり睡眠休養感が低下するため、妊娠前より睡眠時間が長くなる傾向があります。
妊娠中はホルモン分泌が大きく変動し、眠りに影響が出ることをしり、心配しすぎないようにしましょう。気分転換をしたり、散歩やストレッチをしたりすることで、こころとからだをリラックスさせましょう。お腹が大きくなるのに合わせて、寝やすい体勢をみつけましょう。
妊娠中の睡眠不足や睡眠障害(閉塞性睡眠時無呼吸など)による睡眠の質の低下は、胎児の健康リスクとなる可能性が指摘されています。安全な出産と生まれてくるこどもの健康のために、妊娠中のお母さんは十分な睡眠を確保し、睡眠障害の予防に努めましょう。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕