睡眠ガイド56 妊娠・子育て・更年期と良好な睡眠について/よくある質問と回答1

厚生労働省から、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が発表されました。

以下に、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の「妊娠・子育て・更年期と良好な睡眠について」の「よくある質問と回答」を紹介します。

〔よくある質問と回答〕
Q 月経痛(生理痛)がひどく眠れません。対策はありますか?

A 月経痛は睡眠に悪影響を及ぼすことが知られており、痛みの緩和は不眠症状を緩和するのに役立ちます、月経痛に対する適切な対処については、医師と相談しましょう。

Q 妊娠してから、いびきをかくようになりましたが、大丈夫でしょうか?

A 妊婦は非妊婦に比べていびきをかきやすく、習慣的にいびきをかく妊婦の場合は妊娠経過と共に増加します。これは、エストロゲン及びプロゲステロンの分泌増加に伴い、気道にむくみが生じやすく、脂肪の増加によって咽頭が狭くなるためです。いびきが大きく頻繁な場合や、睡眠中に呼吸停止が観察される場合は、閉塞性睡眠時無呼吸の可能性があるので、医師に相談をしましょう。

Q 夜、足がむずむずするような不安感があり、寝つきづらいのですが、良い対処法はありますか?

A 月経のある女性は、血清鉄が不足しやすいことから、むずむず脚症候群を生じやすいことが知られています。妊娠期には、血清鉄の消費がさらに増大し、大きなホルモン変動や葉酸の欠乏、睡眠不足、不安やストレス、疲労などの要因が加わるため、むずむず脚症候群を特に生じやすいと考えられています。ストレッチ、下肢マッサージ、湿布(温、冷)、カイロ、適度な運動や歩行などで症状が和らぐことがあります。症状を悪化させる嗜好品(カフェイン、アルコール、ニコチン)はできるだけ避けましょう。通常、出産後に徐々に改善しますが、産後も足の不快感によって妨げられている場合は、医師に相談しましょう。

Q 更年期に入り、いびきがひどくなりましたが、大丈夫でしょうか?

A 閉塞性睡眠時無呼吸は比較的高齢男性に多い疾患ですが、女性も更年期以降、閉塞性睡眠時無呼吸を生じやすくなります。いびきが大きく頻繁な場合や睡眠中に呼吸停止が観察される場合は、医師に相談しましょう。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕