睡眠ガイド59 交替制勤務者における注意点1

厚生労働省から、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が発表されました。

以下に、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の「就業形態(交替制勤務)と睡眠の課題について」の「交替制勤務者における注意点」を紹介します。

〔交替制勤務者における注意点〕
交替制勤務では、仮眠やカフェイン摂取等を上手く利用することによって勤務中の眠気が改善し、仕事の効率が向上する場合があります。

「仮眠」
夜勤中の仮眠は、仕事の効率を改善させることがわかっています。0〜4時に開始する20〜50分間の仮眠は、眠気や仕事効率、疲労を改善させることが報告されています。しかし、仮眠時間を60分間と長めに設定した研究では、仮眠をとるとかえって仕事の効率が低下したと報告されています。これは、仮眠が長すぎると眠りが深まり、覚醒後の強いぼんやり感(睡眠慣性)が生じやすいためと考えられます。

この対策として、コーヒーなどでカフェインを摂取してから仮眠を開始すると、カフェインの覚醒効果により仮眠後の覚醒が容易になるとともに、睡眠慣性も生じにくくなるとの報告があります。夜勤中の仮眠が夜勤後の睡眠に及ぼす影響については、多くの研究においてほとんどないとされています。

また、夜勤前に仮眠をとることが、夜勤中の眠気や仕事工率の低下に有効であるという報告や、夜勤後の仮眠が睡眠不足を補い、非番日の覚醒度や仕事効率を上げる可能性が示されています。

夜勤中に適切に仮眠がとれるよう、休養時間の確保や静かで快適に休養できる場所の整備についても検討することが望まれます。

「カフェイン」
カフェインには眠気や疲労を改善させる効果があり、夜勤時の眠気に対してカフェインが有効な場合があります。他方で、カフェイン摂取が過剰になると、健康・睡眠に悪影響を及ぼす可能性があります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕