厚生労働省から、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が発表されました。
以下に、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の「就業形態(交替制勤務)と睡眠の課題について」の「交替制勤務者における注意点」の後半と「よくある質問と回答」を紹介します。
〔交替制勤務者における注意点〕
「遮光」
光には体内時計を調整する作用があり、一般的に朝に光を浴びると体内時計が前進(早寝・早起き化)し、夕方以降に光を浴びると体内時計が後退(遅寝・遅起き化)します。
そのため、意図的に光を浴びたり、サングラス等を用いて遮光することにより、体内時計を交替制勤務に適応させようという試みもされています。
しかし、実生活では1日あたりに修正(前進・後退)できる体内時計の時間は数分から数時間程度であるため、この方法では交替制勤務に合わせて体内時計と適応させることが困難であることに加え、時に翌日以降の生活に悪い影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
週に1〜2回程度の夜勤シフトが入る交替制勤務の場合、夜勤明けも日勤日と同じように朝〜午前中に日光を浴び、体内時計を日勤日に合わせ(夜勤によるずれができるだけ生じないように)生活する方法もあります。
この場合、夜勤明けでもすぐに睡眠をとらず、夕方以降から、普段よりやや長めの睡眠時間を確保し、翌朝の日勤日と同等時刻に起床すると良いでしょう。可能であれば、夜勤中に職場で強い照明を避けるようにしましょう。
しかし、より頻回に夜勤シフトが入る勤務体系の場合、前述の方法だと睡眠不足がより深刻な問題となる可能性もあるため、注意が必要です。
〔よくある質問と回答〕
Q 長年、夜勤と日勤を不規則にこなしています。最近熟睡できなくなり、イライラしやすくなりました。対策はありますか?
A 交代制勤務は良い睡眠を保ち、健康を保持する上では、厳しい条件であることがわかってきています。しかし、交替制勤務が良い睡眠を保つ上で、工夫できることもあります。たとえば、勤務と勤務の間の十分な休息、夜勤中の仮眠、眠気に対するカフェイン摂取、強い照明を避けることなどが考えられます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕