学習障害は三大発達障害(自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害、学習障害)の一つとなっていますが、学習障害と診断された人だけに学習の困難さがあるわけではありません。自閉症スペクトラム障害にも注意欠陥・多動性障害にも、そして診断基準に達していないグレーゾーンの人でも学習に困難さを抱えている人は少なくありません。
その支援のためには、学習障害児専門の学習塾、通常の学習塾の特別教室、放課後等デイサービスなどで指導が行われています。それは大切なことで、できるところから支援がされています。その支援というのは、学習の直接的な指導だけでなく、栄養支援や自律神経調整などの周辺サポートも含めています。これなら発達障害児支援や学習支援をする専門家でなくても関わり、応援することができます。
学習の支援は、これだけで完了するものではありません。発達障害がある人は、それだけで発達障害者(18歳以上)、発達障害児(18歳未満)とされるというのが一般の認識ですが、それと同時に社会的障壁があることによって日常生活や社会生活に制限を受けている人のことを指しています。これは発達障害者支援法の第二条(定義)に書かれていることで、発達障害がある子どもに社会的障壁があることで発達障害児とされます。発達障害があっても社会的障壁がなければ、発達障害児ではないということです。
学習障害についても同じことで、学習障害があったとしても社会的障壁がなくて、しっかりと学ぶことができて、その学んだことを活かせる環境が整っていれば、学習障害児として困難さを抱えて、場合によっては差別されることがなくなるということです。
とはいっても、社会の理解や構造を変えていくのは簡単なことではなくて、社会的障壁が続く間は苦しい立場にいることに変わりはありません。それぞれの立場で、できることから支援をすることが大切で、その支援として私たちは発達障害、学習障害の理解を進める活動に取り組んでいます。
学習障害児の学習支援をしている方々は、充分に理解をしているのかというと、必ずしもそうではないのが実態です。そこで、私たちは地域で全体の理解を得るために、教える側にも教わる子どもの家族などにも、それを取り巻くすべての人に理解をしてもらうための講習をすることを目標としているのです。