納豆の広報が食品広報のきっかけだった

全国納豆協同組合連合会がテレビによる広報戦略を展開するときに、日本メディカルダイエット支援機構の小林正人理事長(当時は健康科学情報センター所長、健康ペンクラブ代表理事)が呼ばれました。それは2002年のことで、納豆の日(7月10日)のイベントで納豆の有効性を示し、初代納豆クイーンとして菊川怜さんを表彰しました。小林正人理事長は納豆を食べた人の血液検査の結果から健康効果の発表をしたのですが、その後に納豆クイーンの表彰式だったのでメディアのカメラが場所取りに移動していて、発表のシーンは掲載されることはありませんでした。
ただ、翌年に納豆の日のイベントの前に有名な納豆博士のテレビインタビューを入れていたのですが、博士の到着が遅れて、夕方の番組に間に合わないということで、小林理事長が代わりにコメントしてテレビに登場したということはありました。
広報活動はイベントとともに日常的な活動が重要で、メディアにリリースを毎月送っていました。今では業界の広報はネット経由で簡単にできるようになりましたが、ネット上にアップしたものを新聞、雑誌、テレビなどの企画担当者が必ず見てくれるという保証はありません。2002年というと、まだ各メディアの担当者に紙のリリースを直接送っていました。このほうが目に止まる確率が極めて高くて、新聞社とテレビ局は地方の本社のほかに東京支社にも送るということで雑誌社も含めて300件以上に手作業で送るということをしていました。
リリースの内容は、季節と生活習慣病がテーマで、毎月違う内容を書いていたものの、なぜ納豆に効果があるのかということを栄養成分と特有の成分(ナットウキナーゼ、イソフラボン、ポリアミンなど)を引き合いに出していました。メディアの企画担当者は、長期間の企画立案をすることがわかっていたので、毎月のリリースの配送の前に、1年間のリリースの内容を簡単にまとめた冊子を送りました。知り合いのところにはプラスで手持ちをするということもしていました。
初めは新聞記事として小さく取り上げられるだけでも、これを見て他の新聞社が大きく取り上げてくれます。雑誌の編集者は新聞からネタ探しをしていて、テレビの企画担当は雑誌からネタ探しをするので、リリース発行から2〜3か月後にはテレビに取り上げられるというサイクルが実にうまくいっていた例として紹介させてもらっています。