素食のすすめ12 果糖ぶどう糖液糖の正体

清涼飲料水や菓子類の成分表に「果糖ぶどう糖液糖」と書かれているものがあり、使用されている食品が急に増えてきました。これは異性化糖という甘味料の一種で、とうもろこし、じゃがいも、さつまいもを材料にして加工されています。

食品添加物リストには含まれていないので、食品添加物に指定されていません。また、天然由来の植物が原材料となっていることから、人工甘味料でもありません。

異性化糖は、3つに分類されています。似たような名称のために混乱しやすいため、違いを説明します。

・ぶどう糖果糖液糖:果糖含有量が50%未満のもの
・果糖ぶどう糖液糖:果糖含有率が50%以上90%未満のもの
・高果糖液糖:果糖含有率が90%以上のもの

果糖ぶどう糖液糖の中でも果糖含有率が55%のものは、甘味が砂糖と同じであり、砂糖の代わりに使われています。なぜ代わりに使われるのかというと、砂糖よりも価格が安いからです。また、液体なので溶かして使う必要がなく、扱いやすくなっています。

異性化糖は、とうもろこしなどのデンプンを酵素と水で分解して、バラバラになったブドウ糖に、異性化酵素を使って果糖と結びつけることによって製造されます。

果糖は果物に多く含まれている糖分で、甘味度は砂糖の1.7倍ほどとなっています。そのため、果糖の割合を増やすことによって使用量が少なくても甘味を高めることができます。

砂糖(ショ糖)はブドウ糖と果糖が1対1の割合で構成されているので、異性化によって果糖が多くなるほど甘くすることができます。
果糖ぶどう糖液糖を砂糖の代わりに摂ることによって太りやすくなると指摘されることがあるのですが、これを証明するだけの科学的根拠は今のところありません。しかし、糖化作用はブドウ糖に比べて10倍以上になるとの研究報告もあります。血管の糖化は動脈硬化のリスクを高めます。

果糖を多く摂ると、肝臓で中性脂肪に合成されることから動脈硬化のリスクが指摘されているので、安心して摂ってよいものとは言いにくいところがあります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕