栄養摂取の基本は、バランスよく食品を摂取することだと言われます。どんなバランスを取ればよいのかが数字で表れているのは、総エネルギー摂取量に対する三大栄養素のバランスです。
これは厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」で示されていて、現在使用されているのは2020年版です。これは5年ごとの現状に合わせて栄養摂取の推奨量が示されていて、次の2025年版は同年の4月から採用されます。
2020年版の三大栄養素の理想とされる摂取バランスは、たんぱく質が13〜20%、炭水化物が50〜65%、脂質が20〜30%と定められています。脂質は以前は20〜25%でしたが、これが30%までとなったのは、単純に脂肪を多く摂ってよくなったということではありません。
脂質は肉類に多く含まれる飽和脂肪酸と、魚や植物油に多く含まれる不飽和脂肪酸があります。飽和脂肪酸は多く摂りすぎると動脈硬化のリスクが高まることが指摘され、血液ドロドロ系の脂肪酸とも呼ばれています。
これに対して動脈硬化のリスクを低減させる血液サラサラ系の不飽和脂肪酸を多めにすることが大切とされています。それを反映するように、総エネルギー摂取量のうち飽和脂肪酸は7%以下に抑えることが示されています。
肉を多めに食べる人は、これを減らして魚を食べる回数を増やすということはアドバイスとしては言えたとしても、これ以外のことは、特に摂取のバランスが示されているわけではないので、「肉を多く食べたら、野菜を増やせばよい」という話ではありません。
大雑把な年齢層別に健康の維持のために増やすべき食品は示されているものの、それぞれの人の状態や疾病などによって摂るべきもの、減らすべきもの(場合によっては禁止されるもの)があるので、個別に見て、アドバイスする必要があります。
日本メディカルダイエット支援機構では、1週間に摂取する食品の頻度を質問して、それぞれの人にとって何を増やすか、何を減らすかを指導する食生活チェックを実施しています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕