新型コロナウイルスについてのメディア報道の中で、専門家やMC(master of ceremony)は用語の間違いは犯さない(はず)としても、コメンテーターやゲストはウイルスと菌を勘違いしている人もいて、中には「コロナ菌」という発言をしている人もいます。
こんな間違いコメントがあったら、即座に専門家やMCが修正してほしいところですが、そのままスルーしている番組もたびたび目にしています。そのためもあってか、視聴者である一般市民にも「コロナ菌」は広まっています。
そもそも菌とウイルスの違いを、簡単にでも理解をしていれば、こんなことはないとの思いから、ごくごく簡単に違いについて触れさせてもらいます。
ここでいう菌は細菌のことですが、細菌は一つの細胞でできている単細胞です。単純な人を指すときに単細胞という言葉が使われることがありますが、たった一つの細胞でできているので、その構造はまさに単純そのものです。単細胞の中に生命維持に必要なパーツがすべて揃っているので、単細胞のまま増殖して、人間に害を与えることができます。テーブルでも水の中でも生き残って、感染させるチャンスを狙っていることになります。
これに対してウイルスには生命維持のために足りないパーツがあり、その不足した部分の機能を取りついた生物から取り入れないと生きていくことができません。その意味では、ウイルスは生き物と呼んでよいのかという根本的な疑問も抱かれるのですが、生き物(動物)から生き物(人間)に移っていくときには、わずかな時間しか生き残れないので、そんなに過敏になることはない、というのが今までのウイルスへの感覚でした。
ところが、新型コロナウイルスは唾液や粘液に付着したウイルスが思ったよりも長生きして、その間に他の人に感染させることから、これまでの対策が通じなくなって、とんでもない感染拡大を起こしているということです。