新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が一都十県から栃木県が外れたものの、国のリーダーが言う「1か月後には必ず事態改善」が実現できずに、さらに1か月の延長が決まりました。これで最後なのか、それとも再々延長されるのか、期間については多くの方が疑問を感じているところです。
その理由の一つとされるのは、説得力のない会見を目にして発言が信じられないということです。そのことよりも考えなければならないのは、緊急事態宣言の外出自粛の根本的なところが国民に理解されていなかったことです。国民に理解させて、それを実行させるのがリーダーの役割で、そのための会見のはずですが、緊急事態宣言の根本といえば「20時以降に外出自粛ではなく、いつでも外出自粛」だということです。そこで今回は「昼も外出自粛」が付け加えられました。
緊急事態宣言における外出自粛は「常に」であって、20時以降に限られているわけではなったわけです。20時以降で自粛を求められているのは飲食店の閉店であって、飲食店には20時以降は入れない、20時までに店を出なければならないということです。常に外出自粛であれば、飲食店の閉店時間を制限しなくてもよいはずですが、時間短縮営業を求めるということは、経済のほうを優先させる考えがあるからだと思いたくもなります。
営業時間を20時までと決められると、それまでは飲食店にいてもよい、20時までなら外出してもよいと勘違いする人が多くなるのも当然のことです。穿った見方をするコメンテーターの中には、わざとやっているのではないか、という意見を披露する人までいます。それを聞いて、ますます説得力のない会見への不信感を抱く人も増えてしまいます。
ここのところを明らかにして、国民に向けて再び会見をして、昼も夜も問わずに外出する人を減らせるようにしないと、緊急事態宣言を発令するエリアを縮小させることは難しく、かえって拡大させて、ついには全国を対象にした緊急事態宣言が発令されても、望むような効果は得られないという声まで出てきているということです。