体の中の有害物質を排出するための方法として、岩盤浴や半身浴などで積極的に汗をかくことがすすめられます。これはデトックスの方法として多くの人が実践しているかと思います。確かに汗からも排出されるものの、その量はわずかで最も多いのは便を通じてです。その有害ミネラルの排出の割合は、便からは約75%、そして尿からは約20%とされています。
便を通じて排出されるのは有害ミネラルだけでなく、食品と一緒に体内に取り込んだ農薬や食品添加物、化学物質なども含まれます。また、体内で発生した有害物質も便に混ざって排出されていますが、その代表的なものは腸内細菌の悪玉菌が作り出した毒素と呼ばれる有害物質です。
腸内細菌は約1000種類、1000億個も存在しているとされていて、善玉菌、悪玉菌、日和見(ひよりみ)菌で大きく分けられています。その割合は、腸内環境がよい人の場合では善玉菌2、悪玉菌1、日和見菌7となっています。
善玉菌も悪玉菌も、腸内細菌としてやっていることは同じで、栄養源(エサ)を摂取して、活動をして不要となったものを外に排出しています。その排出物が人間の健康にとってよいことであるものを善玉菌、逆によくないことになるものを悪玉菌と分けているだけです。
日和見菌というのは、腸内環境によって善玉菌の働きをすることもあれば、逆に悪玉菌の働きをすることもあるという、まさに日和見の(有利な方につこうとする)性質があります。特に悪玉菌が増えたときには、悪玉菌の味方をして腸内環境を乱す傾向が強くなっています。
善玉菌はビフィズス菌や乳酸菌が主なもので、酸性の排出物を出して、腸内の酸性度を高めていきます。善玉菌は酸性の環境で増殖しやすくなるので、善玉菌が増えると、ますます善玉菌が増えやすくなります。それとは逆に、悪玉菌が増えると腸内の酸性度が低下して、悪玉菌が増えやすくなります。
善玉菌が増えることによって腸内の発酵が進み、便の量が増えて、軟らかくなります。色も黄色に近くなって、臭いも弱くなります。これに対して悪玉菌が増えると腸内の腐敗が進み、便の量が減って、硬くなります。そして、色も黒くなり、臭いも強くなります。腸内環境の状態は、トイレで確認することができます。
悪玉菌の種類としては黄色ブドウ球菌、ウェルシュ菌、大腸菌などで、腐敗を起こして食中毒を起こす細菌としても知られているものです。悪玉菌が排出するよくないものというのはアンモニアやアミン、硫化水素、インドールなどの有害物質です。
善玉菌を増やすためには、まずは食事の内容が大切になります。善玉菌と悪玉菌では主な栄養源が違っていて、善玉菌は糖質、乳製品(乳糖)、食物繊維を栄養源として取り込んでいます。悪玉菌が主に栄養源とするのは動物性たんぱく質と脂肪です。和食は善玉菌の栄養源になりやすく、肉食や油の使用量が多い洋食は、悪玉菌を増やす原因となっているのです。
善玉菌を増やすには、ビフィズス菌や乳酸菌をサプリメントとして摂る方法があります。善玉菌と同じ役割をするものを摂れば、そのまま腸内細菌の善玉菌になってくれると思うかもしれませんが、これらの外から摂った善玉菌は腸内では1〜2日ほどしか棲息してくれません。
わずか1〜2日で善玉菌の働きをしなくなるといっても、サプリメントとして摂ることは大切です。というのは、外から入れたビフィズス菌や乳酸菌が腸内で活動している間に、腸内環境を酸性化させて、もともと腸内にいた善玉菌を増やすことができるからです。
善玉菌の栄養源の中でも特に有効性が認められているのはオリゴ糖です。オリゴ糖はビフィズス菌が栄養源で、ヨーグルトに添えられている糖はオリゴ糖です。オリゴ糖は胃で分解されず、小腸で吸収されずに大腸まで運ばれていきます。つまり、太ることがない糖分なので、安心して摂ることができるということです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕