肌とストレス19 バリア機能を保持するための対処

肌が健康な状態を保つことができるのは、バリア機能が正常に働いているからです。バリア機能というのは、皮膚の表面を覆っている角質層に備わっている肌を保護する機能を指しています。このバリア機能のおかげで、水分と皮脂が保持されて、肌の乾燥を防ぐことができます。

肌のうるおいが保たれなくなるのは、バリア機能の低下によって水分と皮脂が不足してくるからです。この結果として、かさつきやざらつきが起こり、炎症が進んでかゆみや湿疹が起こり、シワやたるみにもつながっていきます。

皮膚は外部からの刺激を防ぐ役割と当時に、排泄器官としての役割もあります。ターンオーバーによる角質層の剥がれ落ちや余分な皮脂を洗い流すことは必要ですが、洗顔によって洗い流すと必要な成分まで落ちてしまいます。

そして、洗顔によってバリア機能も低下させることになることから、洗顔後のケアが大切になります。

バリア機能として実際に働いているものは2種類があります。1つ目は皮脂膜です。皮脂線から分泌される皮脂が一定に保たれていて、角質層の表面を皮脂膜が均等に覆っていると、水分が余計に蒸発するのを防いでくれます。

皮脂膜には雑菌や常在菌の侵入を防ぐ役割もあります。常在菌は20種類ほどが皮膚の表面にあって、皮膚に影響を与えることなく雑菌と戦っています。そのおかげで、雑菌が弱まったり、減ったりすることで肌の健康度が保たれています。

常在菌は年齢が進むと減っていく傾向があり、ストレスが強まると減少していきます。さらに洗顔や拭き取りによって常在菌を減らしすぎると、皮膚の抵抗力が弱まってしまいます。
皮脂膜を適度な状態に保つために、過度な洗顔は避けるようにすることが一番です。そして、バリア機能の低下を感じている場合には、常在菌の中でも美肌菌とも呼ばれる表皮ブドウ球菌を増やしてあげるように、糖や乳酸菌が含まれた美容成分を使うこともすすめられます。

皮脂は通常よりも多く分泌されるとバリア機能が乱れることにもなります。皮脂腺はホルモンバランスの変化やストレスによって多く分泌されるようになります。食事で摂っている脂肪が増えると皮脂も増えやすくなることから、食事の内容にも注意が必要です。

睡眠不足によっても皮脂の分泌が過剰になっていきます。ストレスが強まった状態で睡眠不足になると角質層が薄くなって刺激を受けやすくなり、さらに水分が蒸発しやすくなるという研究報告もあります。皮脂が増えた結果として、毛穴が広がることも起こります。

このような原因を少しでも減らすとともに、保湿ケアによってバリア機能の低下を抑え、機能を補うことも大切になります。

ストレスによって肌荒れが起こっていると、バリア機能は大きく低下します。そのために紫外線やほこりなどの外部の刺激を受けやすくなります。

スキンケアのための化粧品は、刺激の弱い安心できる成分が配合されたものを選ぶべきですが、乳液やクリームは感触やベタつきから避ける人もいます。しかし、保湿を考えると必要なものは使って、皮脂と水分を保つようにすることは必要です。

もう1つのバリア機能はセラミドの働きです。セラミドは皮膚細胞と水分をつないでいる重要な成分で、角質層の機能を保っています。

ストレスによって肌荒れが起こっているときには、皮膚のターンオーバーが乱れやすく、ターンオーバーが早くなることでもバリア機能が低下します。ターンオーバーを整えるためには、保湿成分のセラミドが配合された化粧品がすすめられます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕