肌が健康な状態を保つためには、皮膚の細胞に栄養と酸素を届ける血流が正常に保たれていることが必要です。血流は血液の流れということで、まずは血液についてみていくことにします。
血液は血球(赤血球、白血球)、血小板、血漿(けっしょう)で構成されています。
赤血球は全身の細胞に酸素を運び、細胞で余分となった二酸化炭素を運び去る働きがあります。赤血球のヘモグロビン(血色素)が肺で酸素と結びついて毛細血管まで酸素を運び、帰りには毛細血管で二酸化炭素と結びついて肺に戻ってくるということは聞いたことがあるかと思います。
毛細血管は全身の細胞につながっているわけではなくて、毛細血管から先は酸素や栄養素は体内の水に溶けて細胞まで届けられます。そして、細胞から不要なものとして排出された二酸化炭素と老廃物が水に溶けて毛細血管まで戻ってきます。
次に白血球ですが、白血球は外敵と戦う免疫を司っています。外敵と戦うマクロファージやリンパ球も白血球の一種です。
赤血球と白血球の働きだけをみても、細胞の健康に血液が重要な働きをしていて、いかに血流が大切かということがわかります。
血小板は血液を凝固させて、止血をする作用があります。血漿は血液の液体成分で、水分、たんぱく質、ミネラル、糖質、脂質などのほか、抗体やホルモンなども含まれています。
血液は心臓から送り出されて、大動脈から徐々に細い血管を通り、最後は毛細血管に進み、そこから全身の細胞に送られていきます。大動脈は500円玉ほどの直径があり、通常の血管の直径は5mm(シャープペンシルの芯)ほどですが、毛細血管は8μmです。
1μmは1mmの1000分の1(0.001mm)で、一般的な細胞の一つの大きさは20〜30μmなので、8μmは、いかに小さなサイズかということがわかります。
血液は心臓から1回の収縮で約60mlが送り出されています。心臓の1分間の収縮回数は60〜70回で、1分間に約5ℓの血液が送り出されています。1日なら7200ℓの量にもなります。
それだけ多くの血液が送り出されていても、すべてが効率よく全身を巡っているわけではありません。血管は弾力性があって、強く押し出された血液は血管がしなやかな状態なら心臓から送り出された30秒ほどで心臓まで戻ってきます。太い血管では秒速1mにもなっています。
ところが、年齢が進むと血管がもろくなっていく動脈硬化が起こり、血流が低下していきます。誰もが加齢によって動脈硬化が起こっていて、年齢以上に進んでしまったのが病気としての動脈硬化となります。
そこまで進んでいなくても、血流が低下する原因があります。それは自律神経の交感神経が働きすぎたときです。自律神経には交感神経と副交感神経があって、交感神経は興奮系、副交感神経は抑制系と一般には説明されています。心臓の鼓動を高めるのは交感神経、鼓動を減らすのは副交感神経の働きです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕