活性酸素の発生を抑えることはできなくても、体内には活性酸素を消去する酵素があって、少しの量の活性酸素なら身体に影響が出ないようにすることができます。活性酸素を消去する酵素は白血球で作られています。
それはスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼといって、活性酸素に欠けたマイナス電子を与えて、元の酸素に戻しています。
子どものときには紫外線を浴びても、それほど肌荒れが起こらないのは、これらの抗酸化酵素が多いからです。年齢を重ねるにつれて抗酸化酵素が減っていくので、それを補うことをする必要があります。
抗酸化酵素が働くには補酵素が必要で、その役割をしているのは亜鉛、銅、セレン、マンガンといったミネラルです。
ビタミンには活性酸素を直接消去する作用があるものがあります。それはビタミンA、ビタミンC、ビタミンEの3種類で、これらを合わせて「抗酸化ビタミンのACE(エース)」と呼んでいます。
それぞれ活性酸素に電子を与える作用があるのですが、中でも強い働きをするのはビタミンEです。では、ビタミンEだけを摂っていればよいのかというと、そうはいきません。ビタミンAとビタミンCは活性酸素にマイナス電子を与えると破壊されるのに対して、ビタミンEはマイナス電子が欠けたまま存在しています。そして、近くにある細胞からマイナス電子を奪う活性型ビタミンEになってしまいます。
この活性型ビタミンEにマイナス電子を与えて、元のビタミンEに戻す役割をするのがビタミンCです。電子のバランスが取れたビタミンEは再び活性酸素を消去します。抗酸化を目的とした飲料やサプリメントには、ビタミンCとビタミンEが使われているのは、こういった理由があるからです。
ビタミンCは、発生酸素を素早く消去する働きがあります。タバコを1本吸うとビタミンCが約25mg破壊されるといいます。1日のビタミンCの推奨量は100mgなので、タバコを4本吸ったらビタミンCがなくなる計算になります。喫煙者にはビタミンCの積極的な摂取がすすめられています。
ビタミンCを多く摂取しているからといって喫煙を続けてよいということではありません。タバコに含まれるニコチンやタールなどは活性酸素を多く発生させるだけではなくて、血管を収縮させる作用があります。特に強く作用するのはニコチンで、血管の収縮による血流の低下は肌の老化を進める原因にもなっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕