日本人の体質の特徴といえば、なんといっても冷えやすいことです。日本人は血液の温度が低く、それが体温を低くさせる大きな要因となっています。日本人の血液温度は38℃以下で、欧米人の血液温度よりも1℃ほど低くなっています。そのために本来なら温かい血液が次々に送られてくることで温度が補充され、放熱による温度低下を上回るはずなのに、上回ることができなくなって血液が回りにくい手足などの末端から冷えを感じるようになります。
欧米人は肉食を中心にしてきたので脂肪を多く燃焼させる能力が高いのに対して、日本人は歴史的に脂肪を多く摂ってこなかったので、脂肪を燃焼させる能力が低くなっています。脂肪を燃焼させるために必要な三大ヒトケミカルの一つのL‐カルニチンは体内で合成され、年齢を重ねるにつれて合成量も蓄積量も減少してきますが、日本人はL‐カルニチンの必要量が少なかったことから年齢による減少が大きく、60歳をすぎると大きく低下してしまいます。冷えやすい人は高齢になると、もっと冷えるようになるということです。
脂肪の燃焼のために必要なコエンザイムQ10も年齢を重ねると大きく減少していきます。L‐カルニチンとコエンザイムQ10が充分にあれば脂肪を効果的に燃焼させて、体脂肪が余分に蓄積されないようになるだけでなく、燃焼した結果、産生されるエネルギー物質のATP(アデノシン三リン酸)の量も増えて、これが全身の活動のためのエネルギーとなります。ATPが多いほど疲れにくく、老化しにくく、元気に動くことができるようになります。ATPは全身の細胞のエネルギーとなるので、全身をパトロールしている免疫細胞の白血球やリンパ球の働きも高めて、免疫を高めることにもなります。
ATPの約70%は生命維持のための基礎代謝に使われます。そして、基礎代謝の約70%は体熱に使われるので、ATPの半分ほどは体温を保持するために使われています。エネルギー源は脂肪だけでなく、糖質とたんぱく質があり、これを合わせて三大エネルギー源と呼ばれます。どのエネルギー源を使ってエネルギーを作り出してもよい感じもしますが、エネルギー量が違っています。脂肪は1g当たり約9kcalと、約4kcalの糖質、たんぱく質と比べてエネルギー効率がよいので、脂肪を燃焼させやすいのは活力が高まりやすい身体ということになります。
脂肪を燃焼させて体温を高めることが、まずは日本人の体質的な弱点をカバーするための基本となります。
L‐カルニチン、コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。