脂肪代謝促進研究10 L‐カルニチンの摂取タイミング

サプリメントの成分は摂取されるタイミングが決まっています。水溶性の成分は胃の中にある水分によって溶けるため、いつ摂っても吸収されます。それに対して脂溶性の成分は食事に含まれる脂肪分に溶けてから吸収されることから食事の前後に摂るのが原則となります。

代謝促進成分のL‐カルニチンとα‐リポ酸は水溶性で、コエンザイムQ10は脂溶性です。水溶性の成分であれば、いつ摂ってもよいとはいっても、α‐リポ酸は胃液によって分解されると別の成分となってα‐リポ酸の働きをしなくなるため、胃の中に何も入っていない空腹時に摂る必要があります。

水溶性のL‐カルニチンは、いつ摂ってもよいものの、摂取の効果が高まるタイミングがあります。L‐カルニチンは肉に含まれる成分で、たんぱく質と非常に相性がよくて、たんぱく質とともにL‐カルニチンを摂ることで吸収率が高まります。

これを確かめるために、卵かけご飯の実験が行われました。白米だけ、卵だけ、卵かけご飯とともにL‐カルニチンを摂ってもらったところ、最も吸収率がよかったのは卵だけを摂ったときで、これは卵のたんぱく質との相性によるものです。次が卵かけご飯で、最も吸収率が低かったのは白米だけでした。食べる量は同じにして、血液中のL‐カルニチンの量を測定した結果です。

たんぱく質であれば肉、魚、卵、牛乳・乳製品、大豆・大豆製品でもよくて、L‐カルニチンの効果を高めるには、たんぱく質の摂取を欠かすことができません。L‐カルニチンによって細胞のミトコンドリアに脂肪酸が取り込まれるとエネルギーが発生しますが、このエネルギーを使って細胞は働いています。たんぱく質を取り込んで筋肉を強化するためにはエネルギーが必要で、エネルギー代謝が高まることは筋肉を強化することにもつながります。

筋肉が多いほどエネルギー代謝が高まるため、L‐カルニチンは筋肉の代謝力を高める効果もあるということになります。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕