脂肪代謝促進研究12 代謝促進による活性酸素の抑制

三大代謝促進成分(L‐カルニチン、α‐リポ酸、コエンザイムQ10)は、どれも細胞のミトコンドリア内でATPの産生に関わっている物質で、ブドウ糖と脂肪酸はミトコンドリア内でATP産生に必要なアセチルCoAに変換されてからTCA回路に運ばれています。

L‐カルニチンは脂肪酸と結びついてミトコンドリアの膜を通過させてアセチルCoAに変換させています。

α‐リポ酸はブドウ糖をアセチルCoAに変換するために働くと同時に、TCA回路の回転を盛んにする働きがあります。

コエンザイムQ10はATP産生の最終工程の電子伝達系で補酵素として働いています。このATP産生の反応で、コエンザイムQ10とα‐リポ酸は還元型の抗酸化物質に変換され、ATP産生の際に発生する活性酸素の除去物質(活性酸素を水に変える物質)としても働いています。

活性酸素を消去する成分としては、植物の色素などの抗酸化物質が知られています。ミトコンドリアで発生した活性酸素には種類があり、それぞれの抗酸化物質は消去を担うものが決まっているため、複数の抗酸化成分を摂る必要があります。

ところが、三大代謝促進成分は体内で作られ、エネルギー産生のために働くだけでなく、活性酸素をミトコンドリア内で消去して外に漏れ出さないように働く物質でもあるため、ミトコンドリアを良質な状態で維持するために必要不可欠な物質となっています。

代謝が促進されて、スムーズにエネルギー産生されていれば活性酸素の発生量は少なくなります。エネルギー量が多くてエネルギーを多く発生させる脂肪酸は、それだけ活性酸素が多く発生するので、L‐カルニチンの摂取は重要になります。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕