脂肪代謝促進研究16 代謝促進の補助としてのL‐カルニチン

L‐カルニチンは代謝促進成分として優れたもので、かつては医薬品成分であったものが、食品成分としても使用することが許可されて、今では代謝促進サプリメントの雄となっています。全身の細胞の中にはエネルギー産生の小器官のミトコンドリアがあり、この中に脂肪酸が取り込まれるときにはL‐カルニチンが必要になります。脂肪酸はL‐カルニチンと結びつかないとミトコンドリアの膜を通過することができないからです。

L‐カルニチンは代謝の重要成分であるために、体内でアミノ酸から合成されています。それなら必要がないように思われるかもしれませんが、合成のピークは20歳代前半で、それ以降は年齢を重ねるたびに合成量は減っていきます。それにつれてミトコンドリアへの脂肪酸の取り込みが減り、そのために以前と同じだけの食事で、同じだけの運動を続けていても徐々に太っていくことになるわけです。

サプリメントとして摂取できるなら、これまでの生活を続けたままでL‐カルニチンを補えばよいということになるところですが、代謝を高める運動をある程度はしないと、代謝低下は止められません。ミトコンドリアでエネルギーを作り出すTCA回路の働きを高めるためには、身体を動かすことが必要で、L‐カルニチンを摂っているからと安心して、運動をしない、食事も調整しないということではいけないのです。

しっかりとエネルギー源を摂って、それをエネルギー化するのが正しい方法で、そのエネルギー代謝を高める方法がメディカルダイエットです。エネルギー代謝は運動の時間を増やすだけでなく、運動と食事のタイミング、運動と入浴のタイミング、そして食事と入浴のタイミングによって変化していきます。効果的なエネルギー代謝には、どちらを先にするのがよいのか、それについての教育と情報発信もメディカルダイエットの資格認定講習で中心テーマとして実施しています。

〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕